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「おーい、朝だよー。」
そんな元気な声でテネレッツァは目を覚ました。
今年で12歳となる少し目が細めのショート髪の女の子のテネレッツァは朝からとてもそわそわしている。
「こらこら、そんな早く食べないの、のどに詰まっちゃうでしょ。はい水を飲む。」
「ごめんなさい母さん、今日から冒険者になれると思ったら我慢できなくて」
そう、この国「テンペンシア連邦国」では12歳から、冒険者になったり、職に就いたりすることができる。また、学校は14歳から行くこともできる
「行ってきます!」
そんな元気な声で言いながらテネレッツァは、冒険者組合である王都冒険者ギルドに行った。
冒険者ギルドは王都の入り口近くにある。
どうやら、大きな魔物や魔獣を狩ってきたときに、運びやすいように、とゆうことだそうだ。
冒険者ギルドに着き、扉をあけてみると、中には朝だからなのか、大勢の冒険者がいた。
奥にあるカウンターの中で、一番空いていそうなところに並んでいると、後ろから絡まれた。
「どけよ!ガキが。邪魔なんだよ。」
そう言ってきたのは、朝っぱらから、酒を飲んでいそうなガタイだけいい男だった。
ただし、酒臭い。
「すいません。私並んでいるんですけど。」
いきなり順番抜かしをしてくるのにイラっときて言い返すと、冒険者は、
「ああ? ガキ風情がⅭランク冒険者であるこのガンドラ様に意見するのか? てめぇいい度胸してんな。 そんなクソガキは俺が教育してやるよ!」
そう言ってきた男は、キレ気味になりながら
拳を振り上げてきた。
テネレッツァに当たる瞬間、一人の女性がその男の拳を片手で軽々と止めた。
その女性は、不機嫌な顔をしながら、
「Ⅽランク冒険者が、冒険者登録もしていない子供に絡むのかい? 感心しないねぇ」
と言いながらテネレッツァと冒険者の間に立った。
「誰だてめぇ? 俺に喧嘩うんのか?」
そう言いながら近づいていこうとすると
取り巻きの一人が
「そいつはやべぇです。sssランク冒険者のヴィゴーレです!」
そう言い、ガンドラを止めようとした。
「なに⁈ こんな奴がsssランクだと?」
ヴィゴーレは不機嫌そうに言う。
「そういうことだ。喧嘩売るってんなら買ってやるが?」
ガンドラ達は、後ずさりしながら、
「覚えていろよ!」
と周りを威嚇するように出ていった。
「ふう、危なかったねぇ、大丈夫だったかい?」
テネレッツァはまだ怖がっていたらしく、小さくうなずくだけだった。
「君、冒険者登録に来たんだろ?一緒にしてやるよ。」
さっきのいざこざの間に、カウンターが空いたらしく、すぐに冒険者登録をすることができた。
冒険者登録に必要な事項は次のとおりである。
1,名前
2,両親の名前
3,魔法適性
4,得意武器
あまり書くことがなかったので、すぐに書き終えて受付嬢に用紙を渡すと、
「以上で登録は完了となります。次に、注意事項等を説明いたします。」
私は、子供でも丁寧に接してくれる受付嬢に感謝しながら、注意事項を聞いた。
冒険者になる上での注意事項は、次のとおりである。
1,ランクはH~sssランクまで
2,通常依頼は、現在のランクと一個上のランクのみ受けることができる
3,指名依頼は基本的に断ることできない
4,冒険者同士の争いには、基本的にギルド運営側は干渉することはない。
など母から聞いたことがあるようなことばかりだった。
そしてもう一つ
「当冒険者ギルドでは、新米冒険者には、先輩冒険者が一緒のパーティーになるというルールがございます。相方はこちらの紹介もしくは立候補によって決まります。」
私が誰と組むことになるのかなぁと思っていると、
「じゃあ、お前は私と組むか。」
「えっ」
普通に先輩冒険者に対して素で返してしまった。
「いいんですか?」
「いいだろ 別に。ランクの指定はないからな。カレラもいいだろ?」
そう受付嬢に聞き返すと
「sssランクの冒険者が、Hランクの新米冒険者と組むという前例はございませんが、してはいけないというルールはございませんので、いいですよ」
こうして、sssランク冒険者とHランク冒険者の日常が始まったのだった。
「じゃあまずは、何か依頼を受けてみるか。
まあ最初だし、採集依頼なんかがいいんじゃないか?」
ヴィゴーレはそう言いながら、一枚の依頼書を手に取った。
その依頼書には、「薬草 毒消し草採取依頼」」と書いてあった。
それを受付に渡し、私たちは、王都の外にあるモストロ・ボスコに入っていった。
「入口の方には、大した魔物はいないはずだから、安心しな」
私は、薬草と思われる草を探していると
「薬草は、葉が三枚、毒消し草は葉が四枚で、少し紫がかっているから覚えときな。あ、ちなみに、今、お前が持ってるの毒草だぞ。」
「えっ」
思わず、その辺に投げてしまった
するとヴィゴーレが魔法を唱えて、燃やした。
「いまのは?」
「炎の初級魔法のひとつ「フィア」だ。」
そう言うと、ヴィゴーレはなにか思いついたように私の顔を見てきた。
「ちょうどいい。薬草採取が終わったら、「魔法」について教えてやるよ。」
それから30分くらいたった後、
「うん、それぐらいあればいいんじゃないか? 上薬草も二個手に入ったことだしな。じゃあ、約束通り、魔法について教えてやろう。」
ヴィゴーレはポーチから一冊の本を出すと、テネレッツァに見せながら、魔法についていろんなことを教えてくれた。
教えてくれたことをまとめると、
魔法の種類は全部で7つ 火 水 地 風 雷 光 闇
それぞれ初級から超級まであり、ほかにもいろいろな固有魔法、古代魔法、支援魔法などがあるそうだ。
「人には、それぞれ魔法適性というものがある。それによって使える魔法がかわってくるからな。ちなみに私は炎と風、雷の適性持ちだ。」
そう言うと、手からフィア、フィード、ライアを出して見せた。
「私にもできるかな?」
「どんな魔法適性があるかにもよるがな。あと、自分自身で持っている固有魔法は、あまりほかの奴らに見せない方がいいぞ。」
「普通の魔法はいいのに固有魔法はダメなの?」
「ああ、何をされるかわからないからな。過去には、魔物や魔獣を操る固有魔法を持った奴が奴隷商人やあくどい貴族に狙われた、なんて事件もある。だから人には見せん方がいいのだ」
気が付くと、私たちはもうモストロ・ボスコの入り口まで戻っていた。
「さあ、戻るとするか。この、薬草と毒消し草をギルドにもっていけば依頼完了だ。」
「よおーし、もうひと踏ん張り頑張るぞー。」
(ふふ、可愛いものだな)
王都に戻ろうとしていると、急に爆発音が聞こえてきた。
「なんだ?」
注意しながら近づいていくと、そこには凄惨な光景が広がっていた。馬車が二台、その周りには騎士と思われる人たちが、魔物たちと戦っていた。
「まずいな。このままではあいつらは間違いなく負けるだろう。」
(戦闘に参加すればあの者たちを救うことはできるだろう。だが、、、この子を一人にするわけには。)
そう悩んでいるヴィゴーレにテネレッツァが「ヴィゴーレ様、助けに行きましょう。私なら大丈夫です。母に鍛えられているので!」
「信じてもいいのか? お前は死ぬかもしれないのだぞ。」
大丈夫です。そんなことよりも自分の前で人が死んでいくのは、耐えられません。」
(ふふ、どこか私に似ているな)
私も昔はこんな風になりたかった。誰かのために一生懸命になり、救いに行ける人。昔の私は、臆病だった。小さなミスを恐れて何もできなかった。だから、自分の友も救うことができなかった。
(このぐらい大胆で、勇気があるぐらいがいいのかもな。)
「わかった。だが絶対死ぬんじゃないぞ。」
「はい!」
作戦は単純だ。私が突っ込み、テネレッツァが後ろから支援する。
曰く、補助魔法が得意らしい。
「フィアンマセント!」
騎士と馬車の周りに群がるオークに3m級の火球を放ち、燃やしてやった。
「はっはっは、まるで豚肉の丸焼きだな!」
一方、テネレッツァは
「マジックブースト」
ヴィゴーレ様に向かって補助魔法をうった。
この魔法は、対象に魔力増加及びスピードアップを施す魔法である。
母さんが作った魔法らしい。
ヴィゴーレ様が強すぎて、雑魚は一瞬で片付いた。
だが、まだ大取が残っていた。キングオークである。全長は3mはぐらいはあるだろうか。手には馬鹿でかいこん棒を持ち、どこかで拾ったのだろうか、王冠をかぶっている。
だが、ヴィゴーレ様は迷うことなく、
「死にな。インフェルノトリガー!」
なんと、ポーチから二丁の銃を取り出し、回転しながら、大量の弾丸をキングオークに浴びせた。
「すっご、、、」
仮にも、魔物のランクでは、Sランクに分類される魔物である。そんな魔物を一瞬で倒すとは。
「母さん、sssランクって思ったよりも強いのですね。」
(まあ母さんの方が強いかな。)
~騎士サイド~
生存は絶望的であった、何とかしてこの馬車におられる姫様と公爵令嬢だけでも逃がさなくては。
「だが、キングオークがいるまではどうすればよいのか。」
「ぐぁあー」
また、仲間の一人がやられてしまった。もうむりなのだろうか。
「妻よ、子供よ、すまない私はもう無理かもしれない」
そんな時だった。
「まだ、諦めるのには早いぞ。」
そんな声と共に、一匹のオークが真っ二つにされた。何事かとみてみれば目の前には、20代前半ぐらいの女性が一人と、冒険者になったばかりに見える子供がいた。
「王国直属近衛騎士団がそんな弱腰になってどうする。王が泣くぞ!」
そういいながら、目の前のオークどんどん切り伏せていく。
(何という強さだ。あの女だけでない、その横にいる子供もとてつもない才能を秘めている。)
そしてキングオークも一瞬で倒してしまうのだった。
私達は、獣人族の人たちに見送られながら、獣人族の大地を出発した。「テネレッツァ様、まずどこに行きますか?」「うーん。着く場所にもよるけど、ルミエール教国かな」船はベラリアに行った時と同じで、すごい速度で進んでいく。海上で四日ほど過ごしていると、段々と陸地が見えてきた。「不思議なこともあるもんだね。あそこ、私たちが出発したとこじゃない?」「確かに、そうかもしれませんね」ゆっくりと速度を落とし、岸に船をつけた。「で、ここからどっちに行けばいいんだろ」テネレッツァは、きょろきょろ周りを見渡していた。すると、「ガアア!!」近くの木々から、オーガと思われる魔物と、それを守るようにゴブリンが現れた。「あちゃー。ばれちったか。仕方ない、エル!やるよ!」「承知いたしました」なぜ、ゴブリンがオーガっぽい魔物を守っているのかテネレッツァ達は見当がついていなかったが、とりあえず倒すことにした。「ウィンド 5連」エルの魔法でゴブリンが吹き飛び「プーラ・エルドゥーラ 貫通弾」テネレッツァによってオーガっぽい魔物の腹に風穴が開き、そのまま倒れた。「いやあ、手厚い歓迎だねー」「ある意味そうですけど」試しに周囲を探査してみると、見覚えのある反応があった・「テネレッツァ様、何かありましたか?」てくてく歩いていくと、古ぼけた焚火後があった。「間違いなくここは、私達の出発したばしょですね」エルもこれを見て確信したようだった。再度周囲を見渡すと、あたりが出発した時よりも、荒れ果てているように見えた。「なんか、廃れていない?」「あら、奇遇ですね。私も思いました」エルは風魔法を使い、周囲の草を切り飛ばした。「では、ルミエール教国へ行きましょう」テネレッツァは、半分あきれ顔で
「どうしたのですか?そんなに慌てて」「どうしたもこうしたもないよ!本大陸が、トーラント共和国がバングラス帝国に落とされた!そして、深淵が復活してしまった!」「え?」テネレッツァは、もう何が何だか分からなくなってきていた。(さっきから、情報量が多すぎるよ!)そういえば、今日は朝から、本大陸の方の天気がとても不安定そうだった。まさか、これの前ぶれだったの?「テネレッツァ様、どうかされましたか?」その様子を見かねたのか、エルが心配そうな表情でテネレッツァに聞いてきた。そこで、テネレッツァはティグニスとオーロラ、エルに今日あったことをすべて話すことにした。「そうでしたか。それで、あの時、無意識にあの姿になっていたのですね」エルも納得していたようだった。ただ、あの時、というのをテネレッツァは分かっていなかった。「それよりも気がかりなのはトーラント共和国が落とされたのと、深淵がついに復活したことですね」「一体、どうやってそんなにも早く深淵を復活させたのでしょう」ティグニスは疑問の表情を浮かべていた「本当にそうですね。あれは精霊石がないとこんなにも早く復活させることはできないはずですが」「「あっ」」「どうかいたしました?」テネレッツァとエルはその一言に心当たりがあった。というか、それしか考えられなかった。「あの時、精霊石を投げた相手が魔族だったのですね」「どういたしましょう。今から、本大陸に戻られますか?」「いいえ、明日行われる祈りの儀だけは務めさせていただきます」テネレッツァは意外に思っていた。エルが、自分の意見をここまで主張することはそうそうあることではないから「エルって変わったよね。ほんとに」「私は変わったつもりはないのですが」ご飯を食べ終わった後、エルはそのまま明日の準備をするために、ティグニスと出かけ
「いま、なんと?」「ですから、真実の秘宝を私にください」ティグニスはテネレッツァのいきなりの一言に驚いている。「では、一つだけ、質問してもよろしいでしょうか」「なんでしょう」「なんのために、あれを使うのですか?」ティグニスははっきりと、テネレッツァに言ってきた。その一言を言われたテネレッツァは少し戸惑っている。そして、「私は、私が何なのか。誰の子なのか。それが知りたいだけです」その真剣な眼差しを見た、ティグニスはついに折れた。「分かりました。では、案内いたしましょう」王城の地下。王族でも王しか入ることを許されない場所にテネレッツァは今、踏み入っている。「これが、その「真実の秘宝」です」見せられたのは、手のひらサイズの小さな宝玉だった。テネレッツァが、触れようとした瞬間眩い光が放たれ、テネレッツァは吹き飛ばされた。光が収まったと思ったら、宝玉から一匹の獣が出てきていた。「我は、神獣 麒麟。汝は何がために我の力を欲する」「私は、私について知りたい」「そのために、我の力を欲するというのか」麒麟は、やや呆れているようである。「麒麟様、私からもお願いでございます。どうか、この者の願いを聞き入れてくれないでしょうか」「王の頼みならば、仕方があるまい。だが!この場に残っていいのはテネレッツァ、そなたのみだ。他の者は外で待たれよ」麒麟の命に従い、他の者は出ていき、この場には麒麟と、テネレッツァだけが残っていた。「では、話をしようかの。テネレッツァいやアイリアよ」「一人で大丈夫でしょうか」「麒麟様だから、変なことはしないでしょうが」「やっぱり不安ですね」「二人とも、そんなに心配しなくてもいいでしょう?」二人が振り向くと、そこ
ディアと呼ばれた男は鞭を出してきて、襲い掛かってくる「わ、ちょ、あぶな!」間一髪でかわし、次の一手を考える。(鞭かあ。戦ったことないんだよねぇ)「とりあえず 残花残霊槍 乱桜!」乱れ突きのように相手を攻撃していくが、謎の障壁に阻まれた。「そんな攻撃、我には通用せぬぞ!暗黒魔法 ダークレイ!」どす黒いビームが私に向かって飛んでくる。「プーラ・エルドゥーラ 氷砲 アイス・カヴェア(氷檻)」また、ぎりぎりのところで防ぐことが出来たが、これでは勝てそうにない。「なら!残花残霊槍 一限解放 千鬼乱桜」鬼の如く相手に切りかかっていく。
今、私たちは競技場から少し離れた、精霊専用の店に来ている。試合の時も、休憩の時も、支援魔法を使ってこのちっちゃい耳を強化して、母に関する情報が無いか探していた。その時、少し気になることを聞いた「明日が祈りの儀だよね?それが終わったら少し気になる場所があるから、そこに行きたい」「それなら、明日の儀は完璧にして、王に無理を聞いてもらうしかないですね」何を頼むつもりなのだろう、と思いながら、メイドさんに用意してもらったお昼を口に運ぶ。どれも子供用に作ってあるのか、味も濃すぎず素材の味もしておいしかった。「さてさて、午後の部はっと」貰った紙を眺めようとした瞬間、競技場の方から爆発音が聞こえた。遅れて、爆風がやってくる。「な、なに?」「何か、よからぬ者がやってきたようですね」私の問に険しい顔でエルは答えた。嫌な予感がしたので、急いで競技場へと向かう。「テネレッツァ様、もし接敵してもそのローブと仮面は絶対に外さな
大精霊祭 二日目今日は、各種族の代表が集まって親善試合を行う日。種族の代表なので、負けると一族に泥を塗ることになる。なのでみんな必死に力の強い者を連れてくる。朝、私とエルはご飯を王城で頂いた後、その親善試合を見るために、闘技場を訪れていた。「この場所に来ると、部活対抗魔法武術祭を思い出すね」「あれは、テネレッツァ様にとっては苦い思い出でしょう」「ははっ、確かに」雑談をしながら、待っていると、大きなドラが鳴らされた。「今年も、この日がやってまいりました。種族代表の親善試合です!」観客席から歓声が巻き起こる。「さあ、早速始めましょう!最初は、犬族代表インペルト対猫族代表サイドです!」左から、がっちりとした体つきの大男が入ってきた。手には刃が潰されている大剣を持っていた。対する、猫族は犬族より一回り小さく、武器も鞭である。見た感じでは犬族が勝ちそうだけど、どうなるかは始まってみないと分からない。そんなことを私は考えていたのだけど、エルはもうすでに試